投資の話になると、多くの人はこう考える。
「投資をしたら増えるかもしれない」
「でも、減るかもしれない」
しかし、実は最も重要なのは
「投資をしなかった場合、どうなるのか」
と並べて考えることだ。
ここでは、
同じ人物が、同じ20年間を過ごしたにもかかわらず、
『投資をした世界線』と『しなかった世界線』でどう分岐するのか
を、30代・40代・50代別に並列でシミュレーションしていく。
シミュレーション共通条件
まず前提条件を揃える。
- 期間:20年間
- 年平均インフレ率:2%
- 投資ありケース:
- 年平均リターン3%(控えめ・分散投資想定)
- 投資なしケース:
- 銀行預金のみ(金利ほぼ0)
- 投資額は「余剰資金のみ」
- 大きな投機・一発勝負はしない
👉 “夢の数字”ではなく、極めて保守的な設定である。
1. 30代の並列シミュレーション(30歳→50歳)
スタート時点(共通)
- 年収:500万円
- 貯蓄:500万円
- 毎年の貯蓄余力:50万円
A:投資をしなかった場合(預金のみ)
- 20年間の貯蓄合計:1,500万円前後
- 名目資産:2,000万円
- 実質価値(インフレ考慮):約1,350万円
50代の状態
- 老後資金がまだ見えない
- 教育費・住宅で不安が残る
- 「ここから投資は怖い」という心理
B:投資をした場合(積立投資)
- 毎年50万円を分散・積立
- 運用利回り:年3%
👉 20年後の資産:約2,400万円
👉 実質価値:約1,600万円
50代の状態
- 老後資金の“土台”が完成
- 余剰資金で選択肢が増える
- 「守りの投資」へ移行可能
30代・並列比較まとめ
| 項目 | 投資なし | 投資あり |
|---|---|---|
| 名目資産 | 約2,000万 | 約2,400万 |
| 実質価値 | 約1,350万 | 約1,600万 |
| 心理状態 | 不安継続 | 見通しが立つ |
👉 差は金額以上に「50代からの余裕」。
2. 40代の並列シミュレーション(40歳→60歳)
スタート時点(共通)
- 年収:700万円
- 貯蓄:1,500万円
- 毎年の余剰資金:60万円
A:投資をしなかった場合
- 20年後の名目資産:約2,700万円
- 実質価値:約1,800万円
60代の状態
- 年金+貯蓄で「生活は可能」
- 趣味・旅行は制限
- 働き続ける前提の老後
B:投資をした場合
- 毎年60万円を積立
- 年3%運用
👉 20年後の資産:約3,300万円
👉 実質価値:約2,200万円
60代の状態
- 年金に依存しすぎない
- 働く/働かないを選べる
- 医療・介護への備えが可能
40代・並列比較まとめ
| 項目 | 投資なし | 投資あり |
|---|---|---|
| 実質資産 | 約1,800万 | 約2,200万 |
| 老後の自由度 | 低い | 高い |
| 労働継続 | 必須 | 選択制 |
👉 「働かされる老後」か「選べる老後」かの差。
3. 50代の並列シミュレーション(50歳→70歳)
スタート時点(共通)
- 貯蓄:3,000万円
- 毎年の追加余力:30万円
A:投資をしなかった場合
- 70代の名目資産:2,500〜3,000万円
- 実質価値:約1,800万円
70代の状態
- 資産はあるが不安
- 長生きリスクが最大化
- お金を使えない心理
B:投資をした場合(超保守型)
- 資産の一部のみ運用
- 年2〜3%想定
👉 70代の資産:約3,400万円
👉 実質価値:約2,200万円
70代の状態
- 取り崩し余裕あり
- 医療・介護費への耐性
- 「使い切れない不安」ではなく「安心」
50代・並列比較まとめ
| 項目 | 投資なし | 投資あり |
|---|---|---|
| 実質資産 | 約1,800万 | 約2,200万 |
| 最大の不安 | 長生き | ほぼなし |
| 心理 | 守るだけ | 安心して使える |
👉 投資は50代にとって「延命装置」。
4. 並列シミュレーションから見える本質
重要なのは、
どの年代でも「破滅的な差」は出ていないという点だ。
しかし、
- 投資なし:
- 生活はできる
- だが、選択肢が少ない
- 投資あり:
- 劇的に金持ちにはならない
- だが、人生の自由度が高い
5. 投資の本質は「増やす」ではない
並列で見ると、答えは明確になる。
投資とは、
未来の不安を“一点集中”させないための分散行動。
- 働けなくなるリスク
- インフレリスク
- 長生きリスク
これらをお金にも分担させる行為だ。
おわりに:20年後の自分が感謝する選択
投資をしなかった20年は、
何も起きない20年かもしれない。
だが、
『投資をしていた20年は、
「選択肢が残る20年」』になる。
未来の自分が、
「あのとき、大きなことをしなくてよかった」
「ただ、少し動いていてくれてありがとう」
そう思えるかどうか。
それが、
投資をする/しないの本当の分岐点だ。


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