日本は破綻しない。しかし、私たちは豊かになれるのか?
はじめに:なぜ「破綻しないのに苦しい」のか
2025年12月現在、日本では
- インフレ率の上昇
- 円安の長期化
- ベースアップの実施
という、一見すると「景気が良くなっているように見える現象」が起きています。
しかし、多くの人がこう感じているはずです。
「給料は上がったはずなのに、生活は楽にならない」
「むしろ以前より苦しい」
これは錯覚ではありません。
日本経済は「破綻しない構造」を持ちながら、国民の実質的な豊かさが削られていく局面に入っています。
ここでは、
- なぜこの現象が起きているのか
- 日本社会は今後どう変わっていくのか
- 個人はどのような戦略を取るべきか
を 感情論ではなく、構造的・経済的に 考察していきます。
第1章:日本はなぜ破綻しないのか(前提の整理)
まず最初に、よくある誤解を整理します。
日本国債は「返せなくなる借金」ではない
日本の国債は
- 自国通貨(円)建て
- 国内保有が中心
- 日本銀行が最終的な買い手
という特徴を持っています。
これは、
ギリシャやアルゼンチンのような
「外貨建て債務+海外依存型国家」とは全く別物です。
理論的には、日本政府は
「円を発行できる限り、名目上の債務不履行には陥らない」
という立場にあります。
👉 つまり
日本が“突然破綻する”シナリオは極めて考えにくい
第2章:問題は「破綻しないこと」そのものにある
では、なぜ苦しくなるのか。
キーワードは「実質価値の希薄化」
国が破綻しない代わりに起きるのが、次の現象です。
- インフレによる貨幣価値の低下
- 円安による購買力の低下
- 実質賃金の低下
これは「支払わないデフォルト」ではなく、
『価値を薄めるデフォルト』とも言えます。
実質賃金が下がるメカニズム
例として、次のケースを考えます。
- 名目賃金:+3%
- インフレ率:+4%
この場合、
実質賃金は −1% です。
つまり、
「昇給しているのに、実質的には貧しくなる」
という現象が起きます。
現在の日本は、まさにこの状態です。
第3章:社会保険料という「見えにくい増税」
さらに家計を圧迫しているのが、社会保険料です。
社会保険料は「準税金」である
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料
これらは法律上は「保険料」ですが、
実態は強制徴収される準税金です。
しかも、
- 賃金が上がる
→ 標準報酬月額が上がる
→ 社会保険料も自動的に上がる
という仕組みになっています。
👉 ベースアップの一部は
最初から社会保険料として回収される構造
第4章:円安が「静かに生活水準を下げる理由」
円安は輸出企業にとってはプラスですが、
生活者にとっては必ずしもそうではありません。
日本は「輸入立国」
- 食料
- エネルギー
- 原材料
これらの多くを海外に依存しています。
円安になると、
- 輸入物価が上昇
- 企業は価格転嫁
- 家計の支出が増える
という流れが起きます。
これは
給料が上がらなくても確実に起きる現象です。
第5章:今後の日本社会はどう変わるのか
ここからは、中長期視点です。
①「平均的日本人」は相対的に貧しくなる
- 成長率は低い
- インフレは続く
- 社会保険料は増える
結果として、
「10年前と同じ生活をするには、より高い収入が必要」
という社会になります。
② 労働市場の二極化
- 高スキル・専門職・外貨を稼げる人
→ 賃金上昇・資産形成が可能 - 国内向け・低付加価値労働
→ 実質所得は伸びにくい
👉 努力より「立ち位置」が結果を左右する社会
③ 資産を持つ者と持たない者の差が拡大
インフレ時代では、
- 現金・預金中心
→ 実質価値が目減り - 資産(株・不動産・事業)保有
→ インフレ耐性あり
この差は、時間とともに広がります。
第6章:個人が取るべき戦略①【守り】
まず重要なのは「守る力」です。
キャッシュフローの再設計
- 固定費の徹底的な見直し
- 社会保険料・税負担を前提にした生活設計
- 「名目」ではなく「実質」で考える習慣
👉 家計簿よりも
実質購買力の管理が重要になります。
第7章:個人が取るべき戦略②【攻め】
次に「攻め」の視点。
① 賃金だけに依存しない
- 副業
- 事業所得
- 配当・利子・分配
👉 労働収入100%はインフレに弱い。
② インフレ耐性資産を持つ
- 株式
- 不動産
- 外貨建て資産
重要なのは
「円の価値が下がっても耐えられる構成」
③ 国に依存しない設計
- 年金は「もらえたらラッキー」
- 生活防衛資金+投資資産
- 自分年金の構築
これは不安煽りではなく、
現実的なリスク管理です。
第8章:FIRE・準FIRE層への示唆
FIREを目指す人、準FIRE層にとって重要なのは、
- 支出最適化
- インフレ耐性ポートフォリオ
- 収入源の分散
「完全リタイア」よりも、
「選択的に働ける自由」
を持つ方が、この時代には適しています。
おわりに:破綻しない国で、どう生きるか
日本は破綻しません。
しかし、何もしなければ生活水準は下がります。
これは悲観すべき話ではありません。
- 構造を理解し
- 早めに動き
- 主体的に設計する
それができる人にとっては、
むしろ生きやすい時代でもあります。
国に任せる時代は終わった
自分の人生は、自分で経営する時代へ
あなたは、どちら側に立ちますか?

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