7月初旬、全国的に猛暑のニュースが流れる中、私は佐賀県の「吉野ヶ里遺跡」を訪ねました。

気温はすでに30度を超え、じりじりと肌を焦がすような太陽。
水筒を片手に、弥生時代の息吹が残るこの広大な遺跡を歩き始めます。

吉野ヶ里遺跡といえば、弥生時代後期の日本を代表する環濠集落。
高床式倉庫や物見櫓、環濠の復元などが広がり、まるでタイムスリップしたような感覚を味わえます。
しかし、現代の私にとってはこの暑さこそが試練。
日陰を見つけては、汗をぬぐいながら当時の暮らしを想像してみました。

物見櫓に上ると、集落全体を見渡すことができ、稲作を中心とした弥生時代の社会がどのように成り立っていたのかが視覚的に理解できます。
説明パネルを読みながら、「この土地に暮らした人々が何を思い、何を守り、どう生きたのか」を想像する時間は、炎天下にもかかわらず心が熱くなるものでした。



展示室で冷房と冷たい飲み物に癒されつつ、展示資料を鑑賞。
発掘調査で見つかった土器や青銅器、木製品などの実物資料が、さきほど歩いた遺跡とつながっていきます。
歴史は教科書の中の知識で終わらず、実際の土地に足を運ぶことで初めて「体感」できるものなのだと、あらためて感じました。



真夏の吉野ヶ里遺跡は、確かに暑い。
けれどその暑さも含めて、かつてこの地に暮らした人々の息づかいをリアルに想像させてくれます。
次回は秋か春に、ゆっくりと歩いてみたい——そう思いながら帰路につきました。
コメント