50代で仕事を減らすにはいくら必要?サイドFIREの必要資産と計算方法を解説

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50代で仕事を減らすにはいくら必要?サイドFIREの計算方法をわかりやすく解説

「今の仕事を少し減らして、自分の時間を増やしたい」

50代になると、このように考える人も多いのではないでしょうか。

若い頃は、収入を増やすことや仕事で成果を出すことに一生懸命だったかもしれません。しかし、50代になると、仕事だけでなく健康、家族との時間、趣味、旅行など、お金以外の価値も大切にしたいと考えるようになります。

一方で、仕事を減らせば当然収入も減ります。老後資金や生活費のことを考えると、簡単には決断できないという人もいるでしょう。

そこで選択肢になるのが「サイドFIRE」という働き方です。

サイドFIREとは、資産運用による収入や資産の取り崩しと、仕事による収入を組み合わせて生活する方法です。完全に仕事を辞めるのではなく、働く時間や仕事量を減らしながら、自分らしい生活を目指します。

では、50代で仕事を減らすには、いくらの資産が必要なのでしょうか。

実は、必要な資産額は一律ではありません。毎月の生活費、仕事を減らした後の収入、将来受け取る年金によって大きく変わります。

この記事では、50代からサイドFIREを目指すための計算方法を、具体的な数字を使って解説します。

1.50代から考えたい「サイドFIRE」という選択肢

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的自立と早期リタイアを意味します。

一般的には、十分な金融資産を築き、資産運用による収入などで生活費をまかなうことを目指します。

ただし、FIREにはいくつかの考え方があります。

完全に仕事を辞めることを目指す方法もあれば、仕事を続けながら生活費の一部を資産で補う方法もあります。

その中間にあるのがサイドFIREです。

サイドFIREでは、生活費のすべてを資産運用だけでまかなう必要はありません。仕事による収入を残し、不足する部分を資産から補います。

例えば、毎月の生活費が25万円の家庭で、仕事による手取り収入が15万円あれば、残りの10万円を資産から補うことで生活できます。

この場合、仕事を完全に辞めるために必要な資産を準備するよりも、少ない資産で働き方を変えられる可能性があります。

大切なのは、仕事を辞めることそのものではありません。

生活に必要なお金を確保しながら、働く時間を自分でコントロールできる状態をつくることです。

2.50代で仕事を減らすメリット

50代で仕事を減らすことには、経済面だけではないメリットがあります。

自分の時間を増やせる

仕事を週5日から週4日に減らすだけでも、自由に使える時間は増えます。

平日に旅行へ出かけたり、混雑を避けて買い物や外食を楽しんだり、趣味に時間を使ったりすることもできます。

定年後にまとめて自由な時間を得るのではなく、体力や気力がある50代のうちから時間を確保することには、大きな意味があります。

仕事によるストレスを減らせる

50代になると、責任ある立場を任されたり、部下や組織の管理に時間を取られたりすることもあります。

収入を維持するために、無理をして働き続ける必要があるのかを考えてみることも大切です。

仕事量を減らすことで、精神的な負担が軽くなる可能性があります。

健康や趣味に時間を使える

健康は、お金だけでは買えない大切な資産です。

運動、睡眠、食生活の改善、定期的な健康診断などに時間を使うことは、将来の生活の質を高めることにつながります。

旅行やバイク、スポーツ、読書など、以前から興味があったことに挑戦する時間もつくれます。

50代は、これまでの働き方を見直す一つのタイミングなのです。

3.サイドFIREに必要な資産額を計算する方法

それでは、実際に必要な資産額を計算してみましょう。

基本となる計算式は、とてもシンプルです。

必要な運用資産=年間の不足額÷想定取り崩し率

年間の不足額とは、生活費から仕事による収入などを差し引いた金額です。

例えば、次のような家庭を考えてみます。

  • 毎月の生活費:25万円
  • 仕事による手取り収入:15万円
  • 毎月の不足額:10万円

年間の不足額は120万円です。

この120万円を資産から補う場合、取り崩し率によって必要な資産額は変わります。

想定取り崩し率必要な運用資産
年4%3,000万円
年3.5%約3,430万円
年3%4,000万円

このように、毎月10万円の不足を資産から補うのであれば、3,000万~4,000万円程度が一つの計算上の目安になります。

ただし、これは税金や社会保険料、運用コスト、相場変動などを十分に織り込んだ確定的な金額ではありません。

また、取り崩し率は毎年その割合の運用益が得られるという意味ではありません。運用がマイナスになる年にも資産を売却する可能性があるため、慎重に考える必要があります。

4.毎月の生活費別に必要な資産額をシミュレーション

次に、生活費と仕事による収入を組み合わせて、必要な資産額を比較してみます。

ここでは、仕事を減らした後の手取り収入を月15万円と仮定します。

毎月の生活費毎月の不足額年間の不足額取り崩し率3%の場合
20万円5万円60万円2,000万円
25万円10万円120万円4,000万円
30万円15万円180万円6,000万円
35万円20万円240万円8,000万円

この表から分かるように、生活費が5万円違うだけでも、必要な資産額は大きく変わります。

また、仕事による収入が月15万円あるか、月20万円あるかによっても必要な資産額は変わります。

例えば、生活費25万円の場合、仕事による手取り収入が20万円なら不足額は月5万円です。

年間の不足額は60万円となり、取り崩し率3%で計算した必要資産額は2,000万円です。

つまり、資産を増やすことだけでなく、仕事による収入をどの程度残すかも重要なポイントになります。

5.取り崩し率3%・3.5%・4%はどう考える?

サイドFIREの必要資産を計算するときによく使われるのが、取り崩し率という考え方です。

FIREの話題では「4%ルール」がよく紹介されます。

これは、資産運用を続けながら、初年度に資産の4%を取り崩し、その後は物価上昇などを考慮して取り崩し額を調整する考え方です。

ただし、4%ルールは米国の過去の株式・債券市場などを前提とした研究に由来するもので、日本で誰にでも通用する保証ではありません。

特に50代でサイドFIREを始める場合、資産を使う期間が30年、40年と長くなる可能性があります。

そのため、4%だけを基準にするのではなく、3%や3.5%でも計算してみることをおすすめします。

取り崩し率4%

比較的高めの取り崩し率です。

必要な資産額を抑えられる一方、相場が大きく下落したときには資産の減少が早くなる可能性があります。

取り崩し率3.5%

4%と3%の中間にあたる考え方です。

必要資産額と資産の持続性のバランスを考える際の試算に使えます。

取り崩し率3%

より慎重に資産を取り崩したい場合の試算です。

同じ不足額を補うためには、より多くの資産が必要になりますが、長期間の生活を考えるうえで一つの比較基準になります。

重要なのは、どの数字が正解かを決めつけないことです。

資産の運用状況、生活費、年齢、年金の見込み、働く期間などを踏まえて、自分に合った計画をつくることが大切です。

6.50代のサイドFIREでは65歳以降の年金も考える

50代で仕事を減らす場合、もう一つ重要なのが公的年金です。

50代から65歳までの期間と、65歳以降では、家計の収入構造が変わります。

65歳以降は、原則として老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取れるようになります。

そのため、サイドFIREの計画では、年金を受け取る前と受け取った後を分けて考える必要があります。

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

  • 毎月の生活費:25万円
  • 仕事による手取り収入:15万円
  • 65歳までの不足額:月10万円
  • 65歳以降の夫婦の年金手取り額:月18万円と仮定

65歳までの不足額は月10万円です。

一方、65歳以降は年金が月18万円あるため、仕事を続けない場合でも、生活費との差額は月7万円になります。

つまり、65歳以降は資産から取り崩す金額が小さくなる可能性があります。

ただし、年金額は加入期間や働き方、保険料の納付状況などによって異なります。また、ここでの年金額は説明のための仮定であり、実際の手取り額を示すものではありません。

自分の年金見込額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認しましょう。

50代のサイドFIREでは、65歳までの資金をどう確保するかと、65歳以降の年金を含めた生活設計を分けて考えることが重要です。

7.50代からサイドFIREを目指すための5つの準備

必要な資産額が分かったら、次は具体的な準備です。

① 毎月の生活費を正確に把握する

最初に取り組みたいのが、家計の把握です。

毎月の生活費が分からなければ、必要な資産額を計算することはできません。

家賃や住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険料、交通費、趣味、旅行など、支出を一度整理してみましょう。

特に注意したいのは、毎月発生する支出だけではありません。

自動車やバイクの維持費、家電の買い替え、住宅の修繕、旅行、冠婚葬祭、医療費など、年に数回発生する支出も考慮する必要があります。

サイドFIRE後の生活を想像しながら、無理のない生活費を設定しましょう。

② 仕事を減らした後の収入を考える

次に、仕事を減らした後に、いくらの収入を確保できるのかを考えます。

例えば、次のような方法があります。

  • 週5日勤務から週4日勤務にする
  • 正社員から短時間勤務に変更する
  • 業務委託や個人事業として仕事を続ける
  • 得意分野を生かした副業を始める
  • 繁忙期だけ仕事をする

仕事を完全に辞める必要はありません。

自分の経験や能力を生かしながら、無理なく収入を得られる働き方を考えてみましょう。

なお、収入は額面ではなく、税金や社会保険料を差し引いた手取り額で計算することが大切です。

③ 生活防衛資金を確保する

サイドFIREを始める前に、生活防衛資金を準備しておきましょう。

生活費の6か月分から1年分程度を一つの目安として、現金や預貯金で確保する方法があります。

例えば、毎月の生活費が25万円なら、150万~300万円程度です。

これはあくまで目安であり、仕事の安定性や家族構成、医療費、住宅費などによって必要額は変わります。

生活防衛資金を確保しておけば、株式市場が下落したときに、慌てて投資資産を売却する必要性を減らせます。

④ 資産運用のリスクを見直す

サイドFIRE後も資産運用を続ける場合、資産配分を考える必要があります。

株式だけに集中していると、相場が大きく下落したときに生活資金まで影響を受ける可能性があります。

現金、株式、債券などを組み合わせ、生活資金と長期運用資金を分けて管理することが大切です。

また、資産運用には元本割れのリスクがあります。過去の運用実績が将来も続くとは限りません。

⑤ 年金や社会保険の影響を確認する

仕事を減らすと、勤務先の社会保険の加入条件や健康保険、厚生年金の加入状況が変わる場合があります。

働き方を変更する前に、勤務先や年金事務所、自治体などで確認しておきましょう。

特に、会社員から個人事業主になる場合などは、健康保険や年金の負担が変わる可能性があります。

仕事を減らした後の手取り収入だけでなく、税金や社会保険料を含めた家計全体で考えることが重要です。

8.サイドFIREで注意したい3つのリスク

サイドFIREは魅力的な働き方ですが、注意すべき点もあります。

相場下落と取り崩しのタイミング

資産運用をしながら生活費を取り崩す場合、運用開始直後に大きな相場下落が起きると、資産の回復が難しくなることがあります。

これは、取り崩しの順序によるリスクとして知られています。

相場が悪い年には支出を抑える、仕事による収入を一時的に増やす、現金を活用するなど、柔軟に対応できる仕組みを考えておきましょう。

仕事による収入が減る可能性

サイドFIREでは仕事による収入を生活設計に組み込みます。

しかし、病気やけが、勤務先の事情、取引先との契約終了などによって、予定していた収入が得られなくなる可能性があります。

収入が減った場合に備えて、生活防衛資金や支出を調整できる余地を残しておくことが大切です。

物価上昇によって生活費が増える可能性

現在の生活費を基準に計算していても、将来は食費、光熱費、交通費、医療費などが上昇する可能性があります。

50代からのサイドFIREは長期間にわたる計画です。

今の生活費だけでなく、将来の物価上昇も考慮し、余裕を持った資金計画を立てましょう。

9.50代のサイドFIREは「完全に辞める」ことを目指さなくてもいい

FIREという言葉を聞くと、仕事を辞めて資産運用だけで生活する姿を想像する人もいるでしょう。

しかし、50代からの人生設計では、完全に仕事を辞めることだけが正解ではありません。

例えば、

・週5日勤務を週4日にする。

・残業を減らす。

・責任の重い仕事から離れる。

・収入は少し減っても、自分の時間を増やす。

こうした小さな変化も、サイドFIREの一つの形です。

仕事を減らすために必要な資産額は、生活費と仕事による収入のバランスで決まります。

資産を何千万円も準備しなければ働き方を変えられない、というわけではありません。

毎月の不足額が小さければ、必要な資産額も小さくなります。

また、仕事を減らして自由な時間が増えたとしても、その時間をどう使うのかを考えておくことも大切です。

旅行、趣味、運動、家族との時間、学び直し、地域とのつながりなど、自分が大切にしたいことに時間を使えるようにしたいものです。

10.まとめ:50代のサイドFIREは資産額よりも働き方と生活設計が大切

50代で仕事を減らすために必要な資産額は、生活費や仕事による収入によって変わります。

基本的な計算方法は、次のとおりです。

必要な運用資産=(毎月の生活費-毎月の仕事による手取り収入)×12か月÷想定取り崩し率

例えば、毎月の生活費が25万円で、仕事による手取り収入が15万円なら、年間の不足額は120万円です。

取り崩し率3%で計算すると、必要な運用資産は4,000万円になります。

ただし、この金額はあくまで単純計算による目安です。年金、税金、社会保険料、物価上昇、運用リスク、資産の寿命などを考慮して、自分の計画に調整する必要があります。

私たちは、長い間「働いて収入を増やすこと」「貯蓄や投資で資産を増やすこと」を大切にしてきました。

もちろん、それらは生活を守るために必要なことです。

しかし、50代になった今、改めて考えたいのは、何のためにお金を増やすのか、何のために働くのかということです。

お金は人生を豊かにするための手段であり、目的ではありません。

資産を増やすことだけに時間を使い、自由に使える時間がなくなってしまっては、本末転倒です。

50代は、これからの人生の時間の使い方を見直す良い機会です。

完全なFIREを目指さなくてもいい。仕事を少し減らすだけでも、人生の選択肢は広がります。

大切なのは、自分にとって必要な生活費を把握し、無理のない収入と資産のバランスを考え、自分らしい働き方を選ぶことです。

資産を増やす人生から、資産を活用して人生を楽しむ段階へ。

50代からのサイドFIREは、そんな新しい人生設計の一つではないでしょうか。

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