本田静六『私の財産告白』×『バビロンの大富豪』──100年超えてなお通じる「豊かになる黄金法則」

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今回は「お金の教科書」と呼ばれてもいい、古典的な二冊の名著から“豊かになるためのヒント”をまとめてみます。

  • 東京帝大教授として活躍しながら巨万の富を築き、晩年はほとんどを社会に寄付した本田静六の『私の財産告白』。
  • 古代バビロンの寓話をもとに、富を築くための原理を物語形式で伝え続けてきたジョージ・S・クレイソンの『バビロンの大富豪』。

一見、時代も国も背景もまったく違う二冊ですが、『驚くほど同じ「富の本質」』を説いています。

「給料が安いから…」
「投資は怖いから…」
「何をすればいいかわからない…」

そんな人にこそ知ってほしい。
この2冊は、「誰でも豊かになれる。ただし、正しい順序と習慣が必要だ」と、100年以上前から教えてくれています。


1. まずは二冊の要点をサクッと理解する

『私の財産告白』とは

本田静六は、明治・大正・昭和を生きた林学者であり投資家。
東京帝国大学(現在の東大)の教授として高給を得ていたとはいえ、その生涯は決して贅沢三昧ではなく、むしろ徹底した倹約と先取り貯蓄で資産を築きました。

最大の特徴は、いわゆる**「四分の一天引き貯金法」**。
つまり、給料の25%をまず天引きして貯蓄や投資に回す

残りの75%で生活をやりくりする、というルールを生涯貫きました。

これにより、本田は労働所得から資産所得へと軸足を移し、やがて投資や配当で生活費をまかなえる状態へ。

さらに晩年は多額の財産を教育・社会に寄付し、人生を「金銭の心配から解放された豊かさ」と「社会への貢献」に昇華させました。


『バビロンの大富豪』とは

一方、『バビロンの大富豪』は、古代バビロンを舞台にした寓話集です。
物語の形を取りながら、富を築くための原則をシンプルに伝えています。

主な教えはこのあたりです:

  1. 収入の10%を必ず自分のものとして取り分けよ(先に自分に払え)
  2. 支出を管理せよ(欲望に優先順位を付けよ)
  3. 貯めたお金に働かせてさらに増やせ
  4. 元本を守れ、理解できない投資はするな
  5. 収入を増やすために自らの能力を高めよ

シンプルですが、現代のあらゆるマネー本がこのエッセンスに帰着するといっても過言ではありません。


2. 共通する「黄金の教え」

時代も国も立場も違う二人が、なぜ同じことを説いたのか
それは、富を築くための原理は普遍だからです

以下は、両書に共通して出てくるコアメッセージです。


1. 先に自分に払え(先取り貯蓄)

  • 本田静六:給料の4分の1(25%)をまず貯蓄・投資に回す。
  • バビロン:収入の少なくとも10%を自分の財布に入れろ。

この教えが最も重要です。
「余ったら貯金する」では絶対に貯まりません。
「先に取り分ける」ことで、貯金は“意志”ではなく“仕組み”になります。


2. 倹約せよ(支出の管理)

富の基本は、入る金より出る金が少ない状態を保ち続けること。
派手な節約は続きません。

両書とも「必要な支出」と「欲望の支出」を切り分け、満足度を落とさず支出を整えることを強調しています。


3. 貯めたお金に働かせよ(投資・複利)

単に貯めるだけではお金は増えません。
増やすためには、貯めたお金を働かせる必要があります。

  • 本田は株式や利付き債券などへの投資を実践。
  • バビロンは「賢明な投資先に金を貸して増やす」ことを教えています。

長期でコツコツ回す複利こそが、資産形成の本当のドライバーです。


4. 資本を守れ(リスク管理)

「儲かる」という話に飛びつくと、築いたものが一瞬で吹き飛びます。
両書はどちらも「理解できないものには投資するな」「信頼できる人の助言を得よ」と繰り返しています。


5. 自分を高めよ(稼ぐ力の拡大)

収入が増えれば、貯蓄・投資のスピードも加速します。
スキル・人脈・経験に投資して収入源を増やすことは、富の形成を早める最短ルートです。


3. 数字で見る「積み上げの力」

たとえば、月収30万円の人が10%(3万円)を貯める場合と、25%(7万5千円)を貯める場合。

年利5%で20年・30年と回すとどうなるか。

  • 20年後
    • 3万円積立 → 約1,233万円
    • 7.5万円積立 → 約3,082万円
  • 30年後
    • 3万円積立 → 約2,496万円
    • 7.5万円積立 → 約6,241万円

同じ利回り、同じ期間でも、貯蓄率の差が最終的な資産額を倍以上にします
「収入が高いかどうか」より、「貯蓄率が高いかどうか」のほうが、資産形成のスピードを決めます。


4. 今日からできる具体ステップ

いきなり25%の天引きは厳しい人も多いでしょう。
でも大丈夫。

始めは10%でOK

大事なのは、仕組み化して続けることです。


【最初の30日】基礎の立ち上げ

  1. 家計を見える化(手取り・固定費・変動費を整理)
  2. 給料が入ったら自動で10%を別口座へ移す設定
  3. 生活費1か月分を「緊急用」口座に確保
  4. 投資・お金の基本書を1冊読む習慣づくり

【半年以内】守りと攻めの土台づくり

  1. 緊急資金を3〜6か月分に増やす
  2. 少額でも積立投資をスタート(NISA・iDeCoなど)
  3. サブスクや保険の無駄を削減
  4. 高金利負債があれば最優先で返済

【1年】増やすフェーズへ

  1. 貯蓄率を15%→20%→25%と段階的に上げる
  2. 投資はコア(インデックス)+サテライト(個別株・不動産)でバランス
  3. 副業・スキル投資をスタートし収入源を一つ増やす
  4. 四半期ごとに資産状況をレビュー

【3〜5年】富の仕組みを完成させる

  1. 資産所得(配当・利子・不動産収入)が生活費の一部を賄う状態を目指す
  2. 相続・税金の基礎を学ぶ
  3. 寄付や社会貢献の方針を決める(目的がお金を生きたものにする)

5. よくある質問と答え

Q. 今から始めても遅いですか?
A. 遅すぎることはありません。

始めるのが早いほど複利の恩恵は大きいですが、今日が人生で一番早い日です。

Q. 投資が怖いのですが?
A. 「理解できない投資」を避けるのが原則。

インデックス投資など分散型・低コストの商品を少額から始めると安心です。

Q. 収入が少なくても貯められますか?
A. 金額より大切なのは「割合」と「習慣」。1万円でも構いません。

継続が最大の武器です。


6. まとめ:100年前の知恵がいまなお有効である理由

本田静六も、バビロンの賢人たちも、言っていることは同じです。

  • まず自分に払え(先取り貯蓄)
  • 欲望を管理せよ(倹約)
  • 貯めた金に働かせよ(投資)
  • 元本を守れ(リスク管理)
  • 自分を高めよ(稼ぐ力の増強)

これらはシンプルですが、誰でもできる代わりに「やらない人」が圧倒的に多い。

だからこそ、やった人だけが豊かになれます。

お金の心配がなくなると、人生の自由度が一気に広がります。
仕事の選択肢、人間関係、住む場所、挑戦できること、社会貢献──すべてが広がります。

「貧乏に甘んじるのではなく、貧乏を圧倒する」──本田静六のこの言葉を、現代に生きる私たちも胸に刻んでおきたいですね。

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