「円資産とドル資産は、結局どのくらいの割合で持つのが正解なのか?」
これは非常によく聞かれる質問ですが、
実は万人共通の正解は存在しません。
なぜなら、
- 年代
- 収入の安定性
- 将来の支出通貨
- リスク許容度
によって、最適比率は大きく変わるからです。
ただし、
『“考え方の軸”と“現実的な目安”』は存在します。
① 大原則:支出通貨ベースで考える
通貨配分を考える上で、最も重要な原則はこれです。
「将来使う通貨」で資産を持つ
日本在住者の場合、
- 日常生活費 → 円
- 税金・社会保険 → 円
- 医療・介護 → 円
が基本です。
つまり、
円資産ゼロは非現実的です。
一方で、
- 輸入物価
- エネルギー
- 海外旅行
- 世界経済と連動する購買力
は、ドルの影響を強く受けます。
そのため、
円100%も、同じく非現実的
なのです。
② 基本モデル:まずは「50:50」が基準線
最初の基準として覚えておきたいのが、
円資産:ドル資産=50:50
という考え方です。
なぜ50:50なのか?
- 円安 → ドル資産が緩衝材になる
- 円高 → 円資産の購買力が高まる
- どちらに転んでも生活が破綻しにくい
つまり、
為替を予測しなくても耐えられる構造
になります。
特に、
- 投資初心者
- 為替に強い意見を持たない人
にとっては、最もストレスの少ない配分です。
③ 年代別:現実的な比率の考え方
ここからは、より実践的に
【年代別の「目安比率」】を見ていきます。
■ 30代:円30〜40%:ドル60〜70%
理由
- 収入の伸び代がある
- 投資期間が長い
- 為替変動を時間で吸収できる
30代は、
資産形成フェーズのど真ん中です。
円は、
- 生活防衛資金
- 直近の支出
に必要最低限あれば十分。
それ以外は、
- 全世界株式
- 米国株式
など、ドル建て資産に厚めでOKです。
■ 40代:円40〜50%:ドル50〜60%
理由
- 教育費・住宅費がピーク化
- キャッシュフローの安定が重要
- 下落耐性も考慮が必要
40代は、
「増やす」と「守る」のバランス期
です。
ドル資産を持ちつつも、
- 円の生活余力
- 取り崩しリスク
を意識する段階に入ります。
■ 50代:円50〜60%:ドル40〜50%
理由
- 老後資金が視野に入る
- 為替変動の回復時間が短くなる
- 心理的安定が重要
50代では、
「資産の最大化」より「生活の安定」
が優先されます。
円比率を高めることで、
- 為替変動時の精神的ストレス
- 直近支出の不安
を抑えられます。
④ FIRE志向の場合の考え方
FIRE(早期リタイア)を目指す人は、
少し特殊な視点が必要です。
FIRE期前(積み上げ期)
- 円30〜40%
- ドル60〜70%
→ 成長重視
FIRE期(取り崩し期)
- 円60%
- ドル40%
→ 生活防衛重視
重要なのは、
FIRE後も「一気に円化しない」
ことです。
ドル資産を残すことで、
- インフレ
- 円安長期化
に対する耐性を保てます。
⑤ よくある失敗パターン
❌ 円100%(預金信仰)
- インフレに弱い
- 円安に無防備
- 実質購買力が目減り
❌ ドル100%(極端な悲観)
- 生活費とのミスマッチ
- 為替急変時の不安
- 取り崩しストレス
❌ 比率を頻繁にいじる
- 為替予測はほぼ不可能
- 結果的に高値掴み
- メンタル消耗
⑥ 実務的な落としどころ
多くの日本人にとっての
現実的ゴールはこれです。
「円で暮らし、ドルで守る」
- 円資産 → 安心と流動性
- ドル資産 → 成長と購買力
比率は「正解」を探すものではなく、
「自分が続けられる配分」
が最適解です。
⑦ まとめ:比率よりも「構造」が大事
最後に重要なことを。
- 50:50でも
- 40:60でも
- 60:40でも
問題なのは、
どちらか一方しか持っていないこと
です。
円とドル、
二つの通貨を持つことで、
- 為替リスク
- 国リスク
- インフレリスク
を自然に分散できます。

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