はじめに:資産額によって「使っていいお金」はまったく違う
「資産ベースで消費する」と言っても、
資産500万円と5,000万円では、許容できる生活レベル・リスク・選択肢は大きく異なります。
重要なのは、
資産額に合わない消費をしないこと
= 資産を減らさない、もしくは回復可能な範囲で使うこと
この記事では、
資産額別に「現実的に可能な資産ベース消費モデル」を考察します。
前提条件(共通)
- 想定利回り:年2〜3%(かなり保守的)
- インフレ・税金を考慮し「使い切らない」前提
- 資産は金融資産中心(現金・投信・株など)
- 年金は別枠(=まだ不確実要素)
資産500万円:守りを最優先する「防衛型モデル」
■ 資産の位置づけ
- 生活を支える「基盤」ではない
- 緊急避難用のバッファ(命綱)
■ 資産ベース消費の考え方
正直に言うと、
**500万円は「使う資産」ではなく「守る資産」**です。
- 病気
- 失業
- 収入減少
これらに耐えるための「時間を買うお金」。
■ 年間消費可能額(目安)
- 利回り2% → 年10万円
- 月換算 → 約8,000円
👉 日常生活費に組み込むのは現実的ではない
■ 現実的な使い道
- 医療・健康への投資
- 引っ越し・転職・学び直し
- 精神的安心感(これが最大の価値)
■ 生活モデル
- 消費:収入ベース
- 意識:資産を絶対に減らさない
- 目標:1,000万円への到達
👉 「使う段階ではない」ことを自覚するのが最大の戦略
資産1,000万円:部分的に資産を使い始める「準自立モデル」
■ 資産の位置づけ
- 生活を完全には支えない
- しかし選択肢を増やす力を持ち始める
■ 年間消費可能額(目安)
- 利回り2.5% → 年25万円
- 月換算 → 約2万円
■ 何が変わるか?
- 固定費を下げる判断ができる
- 嫌な仕事を「続けなくてもいい」という心理的余裕
■ 資産ベース消費の具体例
- 通信費・サブスク代を資産収益で賄う
- 年1回の旅行費用を資産から捻出
- 副業・小規模事業への挑戦費用
■ 生活モデル
- 基本生活費:収入
- 余暇・選択肢:資産
👉 「生活の一部」を資産が支え始める段階
資産3,000万円:生活の土台が資産に移る「半FIREモデル」
■ 資産の位置づけ
- 明確に「生活エンジン」
- 働く・働かないを選べる水準
■ 年間消費可能額(目安)
- 利回り3% → 年90万円
- 月換算 → 約7.5万円
■ 何が可能になるか?
- 家賃の一部を資産でカバー
- 生活費の20〜30%を資産が担当
- フルタイム労働からの解放
■ 資産ベース消費の具体例
- 家賃7万円 → 資産で全額カバー
- 食費・光熱費を資産で一部補填
- 年間100万円以内の取り崩し
■ 生活モデル
- 資産:生活の土台
- 労働:不足分を補う手段
👉 「働かなくても生きていけるかもしれない」という感覚が現実になる
資産5,000万円:資産が主役の「実質FIREモデル」
■ 資産の位置づけ
- 完全に生活の主役
- 労働は「趣味・社会参加」
■ 年間消費可能額(目安)
- 利回り3% → 年150万円
- 月換算 → 約12.5万円
※ 4%ルールを使えば200万円だが、日本では3%が安全
■ 生活の自由度
- 地方移住
- 小さな住居
- ミニマルな生活設計
と組み合わせれば、
年金なしでも生活が成立するライン
■ 資産ベース消費の具体例
- 基本生活費の半分以上を資産で賄う
- 収入は「上乗せ・趣味」
- 資産は減らない or ゆっくり増える
■ 生活モデル
- 資産:生活費の70〜100%
- 労働:選択制
👉 「お金のために働く人生」から完全に卒業
資産額別まとめ表(イメージ)
| 資産額 | 月間資産消費 | 生活への影響 |
|---|---|---|
| 500万 | 約0.8万円 | 守る段階 |
| 1,000万 | 約2万円 | 選択肢が増える |
| 3,000万 | 約7.5万円 | 半FIRE |
| 5,000万 | 約12.5万円 | 実質FIRE |
最後に:大切なのは「今どの段階にいるか」を知ること
多くの人は、
- 資産500万円なのに
- 5,000万円の人の消費を真似する
これが最大の失敗です。
資産ベース消費とは、
資産額に応じて
「使っていい人生」をデザインすること
です。
資産は見栄の道具ではなく、
人生の耐久性を高める装置。
今の自分の資産段階を正しく理解し、
一段ずつ上がっていくことが、
最も再現性の高い「豊かさへの道」です。


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