はじめに|「みんな、どれくらい貯金しているのか?」という不安
「同年代の人は、いくら貯金しているのだろう?」
「自分は遅れているのではないか?」
こうした不安は、多くの人が一度は感じたことがあるはずです。
特にSNSやネット記事では、
- 「30代で貯金1000万円」
- 「40代で資産2000万円は当たり前」
といった刺激的な情報が目に入りがちです。
しかし、それは本当に“普通”なのでしょうか?
この記事では、金融広報中央委員会などの統計データをもとに、
- 年代別の貯蓄額(単身世帯/二人以上世帯)
- 平均値と中央値の違い
- データの「裏側」にある現実
- これから貯蓄を始める人が持つべき視点
を、できるだけ冷静かつ実践的に考察していきます。
まず大前提|「平均値」はあなたの現実を映していない
貯蓄額の話をする前に、必ず理解しておきたい重要なポイントがあります。
● 平均値と中央値の違い
- 平均値
全員の貯蓄額を合計して人数で割ったもの
→ 一部の「超富裕層」に強く引っ張られる - 中央値
貯蓄額を順番に並べたとき、ちょうど真ん中の人
→ 「もっとも一般的な人」に近い数字
つまり、
「平均=普通」ではない
ということです。
この違いを知らないと、
「平均より少ない=自分はダメだ」
という無意味な自己否定に陥ってしまいます。
単身世帯の年代別貯蓄額|一人暮らしのリアル
20代・単身世帯
- 平均貯蓄額:約180万円
- 中央値:約20万円
中央値が「20万円」という数字に驚く人も多いでしょう。
これは、
- 奨学金返済
- 低い初任給
- 家賃・生活費の重さ
といった要因が大きく影響しています。
実は、20代単身者の多くは「ほぼ貯金ゼロ」からスタートしているのが現実です。
👉 ここで大切なのは
「貯金額」よりも
『お金に向き合い始めたかどうか』です。
30代・単身世帯
- 平均貯蓄額:約600万円
- 中央値:約50〜60万円
30代になると平均値が一気に跳ね上がりますが、
中央値を見ると「思ったより少ない」と感じるはずです。
理由は明確で、
- 転職・独立
- 結婚や離婚
- 生活水準の上昇
など、お金が貯まりにくいイベントが集中する年代だからです。
👉 この時期に重要なのは
「完璧な貯蓄」ではなく
『貯める仕組みを作ること』です。
40代・単身世帯
- 平均貯蓄額:約800万円
- 中央値:約90万円
40代でも、中央値は100万円に届きません。
つまり、
半数以上の単身者は、100万円未満の貯蓄
という事実があります。
この現実を知ると、
「自分だけが遅れているわけではない」
と気づけるはずです。
50代・単身世帯
- 平均貯蓄額:約1000万円超
- 中央値:約130万円
平均値だけを見ると「安心」に見えますが、
中央値とのギャップは依然として大きいままです。
👉 重要なのは、
「今までいくら貯めたか」ではなく
「これからどう使い、どう守るか」です。
二人以上世帯の年代別貯蓄額|家族がいる世帯の実態
20代・二人以上世帯
- 平均:約200万円
- 中央値:約60万円
共働き世帯も多いものの、
- 結婚費用
- 出産・育児
- 引っ越し
などで、支出が先行しがちな時期です。
30代・二人以上世帯
- 平均:約750万円
- 中央値:約240万円
ここで一気に差が広がります。
- 住宅購入
- 教育費の開始
- 車の保有
といった「人生コスト」が本格化します。
👉 貯蓄できていなくても、
それは“失敗”ではなく“構造的にそうなりやすい”だけです。
40代・二人以上世帯
- 平均:約900万円
- 中央値:約300万円
教育費のピークを迎える家庭が多く、
「貯蓄が増えない」と悩む人が最も多い年代です。
50代・二人以上世帯
- 平均:約1400万円
- 中央値:約400万円
住宅ローン完済・教育費終了などにより、
ようやく貯蓄が加速し始めます。
見えてくる「日本の貯蓄の正体」
ここまで見てきて、ある共通点に気づいたはずです。
- 平均値は高い
- 中央値は驚くほど低い
- 多くの人は「思っているほど貯められていない」
つまり、
「お金がない」のは個人の失敗ではなく
社会構造と人生イベントの結果
なのです。
これから貯蓄を始める人へ|3つの大切な気づき
① 他人と比べるほど、貯蓄は遠ざかる
比較すべき相手は
「SNSの成功者」ではなく
『昨日の自分』です。
② 貯蓄は「金額」ではなく「習慣」
月1万円でも、
- 自動積立
- 先取り貯蓄
を始めた人は、確実に人生が変わります。
③ いつ始めても「遅すぎる」ことはない
50代から貯蓄を始めた人も、
60代で「安心」を手に入れています。
重要なのは、
今日から動くことです。
おわりに|あなたは、もうスタートラインに立っている
この記事をここまで読んでいる時点で、
あなたはすでに「お金と向き合う側の人」です。
- 貯蓄が少なくてもいい
- 過去を悔やまなくていい
必要なのは、
「自分の人生を、自分で経営する」という視点
だけです。
数字は、あくまで参考資料。
人生は、これからいくらでも書き換えられます。
今日が人生で一番若い日です。
まずは一歩前へ踏み出してみましょう。


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